いて座δ星(いてざデルタせい、δ Sgr)は、いて座の恒星で3等星。
概要
星間物質がどの程度あるかわかっていないため不確かではあるが、観測されているよりも光度は30%、半径は15%ほど大きいものと考えられている。いて座δ星は多重星系であり、ADS 11264、CCDM 18210-2950、See 350 といった二重星番号もある。4重星であり、主星はK型の3等星、他の3つの伴星はいずれも10等以下の暗い星である。
これら3つの伴星が主星と物理的な相互作用を及ぼしあっているのか、偶然同じ方向に見えるだけなのかは分かっていない。
名称
固有名のカウス・メディア (Kaus Media) は、アラビア語で「弓」という意味の al-qaus と、ラテン語で「中央」を表す media を組み合わせた言葉である。いて座のδ星、ε星、λ星の3つの恒星には射手の弓を意味する Kaus が付けられている。al-qaus は元々いて座ξ2星、ο星、π星、d星、ρ星によるアステリズムに付けられていた名前であった。2016年7月20日に国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、Kaus Media をいて座δ星の固有名として承認した。
この星はカウス・メリディオナリス (Kaus Meridionalis、「カウスの南(の星)」の意)やカウス・メディウス (Kaus Medius) などとも呼ばれていた。
インド天文学において、この星はいて座ε星とともに、ナクシャトラの第20宿 Purva Ashadha を構成しており、その距星であった。中国では、二十八宿の第7宿(東方青龍でも第7宿)箕宿の2番目の星(箕宿二)とされた。
脚注
注釈
出典
関連項目
- en:Traditional Chinese star names#Sagittarius
外部リンク
- いて座δ星 - Wikisky: DSS2、SDSS、GALEX、IRAS、Hα、X線、天体写真、天体地図、記事と写真



