イーグル(USCGC Eagle、WIX-327)は、アメリカ沿岸警備隊の保有する練習帆船、バーク船である。元々はナチス・ドイツ海軍の練習帆船ホルスト・ヴェッセルであった。ドイツで建造・運用され、第2次世界大戦後に賠償艦としてアメリカに渡り、現在はコネチカット州ニューロンドンにある沿岸警備隊士官学校で使われている。

ドイツ海軍時代

第二次世界大戦前

1936年2月15日にハンブルクのブローム・ウント・フォス社で起工され、同年6月13日に進水、同年9月16日に竣工し、「ホルスト・ヴェッセル」と命名され、翌日就役した。船名はドイツ共産党の戦闘部隊赤色戦線戦士同盟の隊員に射殺され、ナチ党の「殉教者」として英雄化された人物である、国家社会主義ドイツ労働者党の突撃隊少尉、ホルスト・ヴェッセルにちなむ。就役後の1938年8月21日には、アドルフ・ヒトラーが本船を見学している。

第二次世界大戦中

本船は第二次世界大戦の勃発に伴い1939年に一旦退役し、シュトラールズントにおいてヒトラーユーゲントの海兵隊の訓練に用いられた。その後、1942年に海軍の帆走練習艦として再就役を果たした。この際に20ミリ対空機関砲や20ミリ機関銃などが装備されている。

1942年後半から1945年にかけて、主にバルト海において訓練を行った。なお1944年11月14日、リューゲン島付近で機雷に触れ損傷を負ったが、沈没は免れている。

アメリカ沿岸警備隊時代

第二次世界大戦終結後の1946年5月15日、賠償艦としてアメリカに引き渡され、「イーグル」としてアメリカ沿岸警備隊に就役し、ドイツのブレーマーハーフェンからアメリカのコネチカット州ニューロンドンに向けて出航した。同年から訓練に参加している。1972年には西ドイツのキールを訪問している。また、本船はしばしば「オペレーション・セイル」に参加しており、1976年のニューヨークで行われた、アメリカ合衆国建国200周年記念国際観艦式でも先頭船を務めている。1981年2月に改修を行った。本船は2024年現在も現役で、世界各地の様々な式典やイベントに参加している。

ギャラリー

  • ドイツ海軍時代
  • アメリカ沿岸警備隊時代

脚注

出典

参考文献

  • 「写真集 米建国200周年記念 帆船パレードと国際観艦式」『世界の艦船』第235号、海人社、1976年12月。 

空を飛ぶ帆船「SAILING SHIP KITE」 DesignWorks デザインワークス

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